あけましておめでとうございます。
ようやく正月モードから脱却し、今週くらいから当事務所も通常の執務体制になり、ご相談も動きが出てきました。
離婚交渉のご依頼の中で、離婚自体には双方合意しているけれども条件について交渉してほしいという例では、弁護士が入ることによって、感情的にならずに条件面の交渉ができて解決への道のりがみえるのですが、離婚自体に相手が合意していないという例では、弁護士が入って交渉してもなかなか進展せず、膠着状態になってしまう場合もあります。
そんな膠着状態でも、年末年始というのは、双方の当事者が日常とは違う生活パターンの中で、じっくりと今後の人生について考える機会になったり、他の親族や友達に相談したりして事態が動く場合もあります。
膠着状態になってしまった場合、離婚したい当事者はどうすればいいのか。これはとても難しいのですが、まずは現状を変える行動を起こすことが大切です。
たとえば、同居して話し合いをしているのであれば、別居する。
別居が続いているのであれば、調停など法的な手続きを利用する。
法的な手続きの中でも、選択肢を調停以外に広げる。
などなど、次の一手を考えなければなりません。
膠着状態が続くというのは、その状態が相手にとって都合がいいのか、あるいは、相手のペースで事態が進展することに対する警戒感などがベースにあるので、どうすれば事態が動くのかを慎重に見極める必要があります。
受け入れたくない現実を受け入れる心理的な過程として、「否定」→「怒り」→「取引き」→「憂鬱」→「受容」という経過をたどるそうですが、離婚を突き付けられた相手がどの状態になるのか、まだ「否定」の状態にあるのであれば、心が離れて離婚は避けられないということを受容してもらうためのプロセスを経なくてはなりません。
このプロセスを経るためには人によっては数年かかるかもしれません。
焦らず着地点がどのあたりにあるのかを見極めて、依頼者にも現状を受け入れていただかないといけない場合もあります。
離婚のご相談は、弁護士の取扱い分野の中でも、依頼者や相手方の心と向き合う分野です。