今朝は朝から予定が入っていなかったので家でゆっくりワイドショーをみていたら、8時半から松居一代さんの会見の生中継があり、思わずみてしまいました。
「慰謝料も財産分与もなし」「離婚を勝ち取りました」と元気いっぱい前向きなパワーにみちみちて、ガッツポーズで報告をされていましたが、いままで動画で徹底的に戦いますと憔悴した表情でおっしゃっていた様子からすると「どうなったの?」というのが最初の感想です。
船越さんから離婚調停を申し立てられて、離婚を勝ち取るというのもなんか変な感じだし、慰謝料も謝罪もないということであれば、徹底的に何を戦うつもりだったのかしらと思ったのですが、よくよく考えてみると、松居さんは資産何億円という大金持ちで、簡単に離婚に応じたら、結婚後に築いた財産を財産分与として半分持っていかれてしまうという立場にあり、慰謝料を請求するとしても裁判になればせいぜい数百万円程度しかとれないということになりますから、財産分与をしないという結論をえたことは彼女にとってみればとてもよかったということになるのでしょう。
自宅の建物の名義の5分の1が船越さんの名義になっており、この持ち分相当額を松居さんが好意で買い取ったとのことですが、今回、調停の2回目で離婚が成立したということからすると、初回の調停の時から船越さん側で、財産分与はいらないから離婚してほしい、建物の名義の分だけは相当額で買い取ってほしいという意向があり、これに対して、相当額がいくらかということを双方検討して、今回合意ができたというのが調停の流れなのでしょう。
松居さんは調停の前日は弁護士軍団と深夜まで打ち合わせをして、朝の3時半から再度調整して、一睡もせずに調停に臨んだとおっしゃっています。深夜まで打ち合わせをした弁護士軍団の先生方も大変だったと思いますが、松居さんにご自身の法的な立場を正確に理解してもらえたからこその解決であり、お互いにとって良い結論が出たと思います。
会見では、「もし今回合意できなければ調停不成立にして、裁判になる予定で、証人になる予定の人も頼んでいた」ということをおしゃっていました。裁判になった場合の争点は、船越さん側の離婚請求を排斥するための証拠、すなわち、船越さん側が有責配偶者であることの立証をするという活動になるのだと思いますが、そうなると船越さんの離婚請求が棄却されて離婚できないわけで、「離婚を勝ち取りたいのか、勝ち取りたくないのか」どっちやねんというつっこみをしたくなりますが、「財産分与なしで離婚を勝ち取る」ということが目的だったということなんですよね。
今回2回目で調停が成立したということからすると、そもそも船越さん側としては最初から財産分与を請求するつもりはなかったということになりますので、そうすると、「財産分与なしで離婚を勝ち取った」と大喜びして会見をするほどのことだったのかなんかもやもやした気持ちになりましたが、リスタートできるということの喜びの大きさがよくわかりました。(弁護士澤田有紀)