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判例ニュース

婚姻費用
不貞行為を行った妻から夫に対する婚姻費用分担請求について信義則・権利濫用の 見地から子の養育費相当分に限って認められると判断された事例(大阪高裁平成28年3月17日決定)
解説した弁護士
石田優一
判例

1 事案概要
夫Xと妻Yは、平成10年に婚姻し、3人の子(長女A,次女B,長男C)をもうけました。
Xは、Yが平成21年頃にうつ病に罹患して精神的に不安定であったことから、平成23年に別居を開始しました。
平成25年に一度同居を再開しましたが、その後、Yは、Aのバイオリン講師との間で不貞関係となりました。
平成27年、Yは、Xに対し、離婚したい旨を告げ、以後離婚協議を開始しましたが、その頃、Xは、Yの携帯電話のSNS上のやりとりから、Yが同講師と不貞関係にあることを知っていました。
Yは、に対して婚姻費用の分担を求める調停を申立て、その後、調停は不成立となり、審判に移行しました。Xは、Yとの間の婚姻関係が破綻した原因がYの不貞行為にあるなどとして、Xの婚姻費用分担請求が信義則に反し、あるいは権利濫用にあたると主張しました。

2 裁判所の判断(大阪高裁平成28年3月17日決定)
裁判所は、Yの不貞行為があったことを認定したうえで、YのXに対する婚姻費用分担請求は、「信義則あるいは権利濫用の見地から,子らの養育費相当分に限って認められる」との判断を示しました。
そして、一般的な算定方式に従って子の養育費相当額を算定したうえで、Aのバイオリンレッスン費用等の特別の学費を考慮した一定の加算を認める判断をしました。

どういうこと?

一般に、夫婦は、お互いの生活を保持するために、それぞれの資産、収入等を考慮して、婚姻費用を分担する義務(民法760条)を負っています。そのため,夫婦が別居している場合には、一般に、それぞれの収入等の事情に応じて、より多くの婚姻費用を負担すべき方が、他方に対し、一定額の婚姻費用相当額を支払わなければならないとされています。婚姻費用の中には、子の養育のための費用も含まれています。
婚姻関係の破綻や別居の主な責任が夫婦の一方にある場合、信義則や権利濫用の見地から、その者からの婚姻費用分担請求を認めない、あるいは、減額するという判断が、裁判例の大勢です。
本件事例は、これまでの裁判例と同様、婚姻関係の破綻原因が妻にあることを理由に、婚姻費用分担請求を一部認めなかったものといえます。

判例に学ぶポイント
婚姻関係の破綻や別居についても専ら又は主として責任があるものの婚姻費用分担請求が許されないあるいは減額されるといっても、それは配偶者の生活費相当分に限られ、子どもの養育費まで影響をうけるものではありません。
また、不貞行為によって婚姻関係を破綻させたのであれば、夫婦の一方に責任があることは明らかで、婚姻費用分担請求を認めないとの判断も容易であるともいえますが、しかし、例えば、夫婦の一方による日頃の不快な言動等、婚姻関係の破綻にどの程度影響したかを容易に判断しがたいような事案において、どこまで婚姻費用分担請求の主張が否定されるかは、難しい問題です。
いわゆるDV事案などであれば、不貞行為の場合と同様に,婚姻費用分担請求の主張が否定される可能性はあると思われますが、例えばモラルハラスメント事例などにおいては、婚姻費用分担請求の主張が否定される有責性は容易に認められないと考えられます。

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