「料理をしない」だけで、離婚するのは難しい。
仕事から戻ると、温かい妻の手料理が待っている・・・そんな生活に憧れる気持ちは、男性の目線からは理解することもできます。しかしながら、「料理をしない妻とは離婚する」というのは、妻の同意がある場合を除いて、認められることはまずありません。ただし、妻が料理をしないことが原因で、夫婦として通常の生活を送ることが困難になった場合には、離婚が認められる可能性はゼロではありません。
料理を一切しない妻とは離婚できるのか?妻はいわゆる専業主婦。掃除や洗濯などはこなすものの、「料理は苦手」と炊事をせず、食事は買ってきた物か外食ばかり。仕事から帰ると、テーブルにカップ麺が置いてあるという有様。もうこんな生活は終わりにしたい・・・。 |
仕事から戻ると、温かい妻の手料理が待っている・・・そんな生活に憧れる気持ちは、男性の目線からは理解することもできます。しかしながら、「料理をしない妻とは離婚する」というのは、妻の同意がある場合を除いて、認められることはまずありません。ただし、妻が料理をしないことが原因で、夫婦として通常の生活を送ることが困難になった場合には、離婚が認められる可能性はゼロではありません。
一般的に、夫が働きに出て、妻が専業主婦という家庭であれば、妻には家事や育児を担うことが求められます。このケースは「料理をしない」という点のほかに大きな問題はなさそうですので、夫婦の役割分担ができておらず、婚姻を継続し難い重大な事由があると認められる可能性は低いと思われます。ただし、妻が料理せずに外食などを繰り返すあまり、常識的な範囲を超える食費がかかっているといった状況であれば、経済的にどの程度のダメージがあるのかを明らかにする証拠を残しておきましょう。そして、まずはその証拠をもとに、妻と話し合いの場を設け、改善に努めることが必要です。いずれにしても、妻に対する不満がさらに大きくなり、これ以上の関係悪化につながらないように話し合うことは大切です。それでも改善されない場合は、離婚を視野に入れても良いかもしれません。
妻が料理をしないというだけでなく、掃除や洗濯といった基本的な家事を疎かにしていたり、子どもがいるにも関わらず、正当な理由もなく子育てを放棄してしまっているという場合については、夫婦や家族として共同生活を継続していくことが難しいと考えられるため、離婚が認められる可能性はあります。ただし、ここでひとつ考えておきたいのは、「仕事が忙しい」などと言って、夫が家事や育児に一切関与しなくても良いという訳ではないことです。共同生活が上手くいくように、お互いにできること、できないことを理解し合って、協力関係を築くことが大切です。
夫婦が共働きの場合、家事や子育てに夫の協力が不可欠になってきます。夫が「家事や子育ては妻の役割だ」などと主張して協力をすることもなく、妻の家事や子育てに不満を抱いていたとしても、離婚が認められることはまずありません。夫の非協力的な態度にこそ問題があるからです。まったくその逆で「私も仕事をしているから」といって、妻が家事や子育ての一切を放棄してしまい、夫だけで家事や子育てまでを担っている状況であれば、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚が認められる可能性も出てくるでしょう。