自分で決められること、合意が必要なことを見極める。
離婚とは、結婚によって成立した夫婦関係を解消するための法律上の手続きです。結婚によって、夫婦間にはいくつかの権利義務や法律関係が発生していますので、離婚の手続きをすることで、それらを解消することになります。つまり、離婚すると決めた場合は、夫婦間のいくつかの権利義務や法律関係を、どのような形で解消するか?について、一つひとつ決めていく必要があるのです。具体的にどのようなことを決めていけば良いのかを、一通り見ていきましょう。
離婚することになったら、決めておくべきことは?夫婦関係の修復を試みたものの上手くいかず、ついに離婚することに。お互い離婚には同意しているものの、具体的な離婚の話し合いはこれから。離婚に向けて決めておくべきことが色々とあるようだけど・・・。 |
離婚とは、結婚によって成立した夫婦関係を解消するための法律上の手続きです。結婚によって、夫婦間にはいくつかの権利義務や法律関係が発生していますので、離婚の手続きをすることで、それらを解消することになります。つまり、離婚すると決めた場合は、夫婦間のいくつかの権利義務や法律関係を、どのような形で解消するか?について、一つひとつ決めていく必要があるのです。具体的にどのようなことを決めていけば良いのかを、一通り見ていきましょう。
まず、結婚すると夫婦は同じ名字になりますから(夫婦同姓の義務)、結婚して夫の名字になっている場合、結婚中の名字を今後も使い続けるかどうかを決める必要があります。離婚後も結婚中の名字を使いたい場合は、「婚氏続称(こんしぞくしょう)」という手続きをする必要があります。次に住居の問題です。夫婦には同居義務がありますが、離婚によって解消されることになりますので、離婚後に済む場所を決めなければなりません。また、結婚中は生活費を分担する(相手に自分と同程度の生活を保障する)扶助義務がありますが、離婚によってこれも解消されますので、離婚後の生活費をどのように工面するかを決めることも必要です。これらについては、夫の合意は必要なく、あなた自身の考えで自由に決めることができます。
夫と話し合いをして、合意する必要があるのは財産の関係です。夫婦関係を解消する場合、現金、預貯金、自動車、自宅などの婚姻期間中に形成された財産については、原則として1/2ずつに分けることになります。ですから、まずは自分たちにどのような財産が、どのくらいあるのかを明らかにすることから始めましょう。自宅や不動産を所有している場合、ローンや名義の問題が出てくることもありますし、浮気などが原因で離婚する場合には慰謝料が発生することもあるなど、お金についての話し合いは難しい状況になることが予想されます。分からないこと、困ったことがあれば、できるだけ早めに弁護士に相談するほうが良いでしょう。
夫との話し合いが難しくなる問題として、未成年の子どもの問題があります。子どもの親権はどちらが取るのか?養育費はいくらにするのか?離婚後の父親との関係をどのようにするのか?子どもの名字をどうするのか?といったことを、夫と話し合って決めなければなりません。養育費の支払いを受ける場合には、一方的に支払いをストップされたり、減額されたりすることがないよう、離婚協議書を公正証書で作成しておきましょう。離婚協議書を公正証書にしておくと、裁判などを待たず、直ちに決められた金銭等について強制執行することができます。なお、離婚協議書については、養育費以外の決めごとについても記載しておくことができ、約束を守ってもらうのに非常に有効です。