離婚はしたものの生活に追われ、こんなはずじゃなかったと後悔するのではあまりに残念だから。お金の問題をどうするか、しっかり計画を立てて、慎重に離婚の話を進めることが肝心です。お子さんを連れての離婚は特に不安でしょうが、ひとり親を支援する公的制度も様々用意されていますので、事前に調べておかれると少しは安心です。
離婚で受け取れるお金はどんなものがある? |
お子さんの有無、離婚の原因、お二人の年齢などによって変わりますが、主に可能性があるのは次の5項目になります。
*養育費
*財産分与
*慰謝料
*年金分割
*過去の婚姻費用
後悔やミスのないよう十分検討し、お二人で話し合って具体的な金額や支払い方法等を決めます。離婚前に結論を出し、書面(離婚協議書)にして残しておきましょう。「公正証書」にしておけば、万が一、支払いが滞った場合、すぐに強制執行(給料や財産の差押え)ができます。金額を出すのに、専門的知識がかなり必要なものもありますから、弁護士など法律の専門家に相談し、書面の作成を依頼すれば安心です(請求するのに期限のあるものもあります)。
生活が不安なら、公的扶助を利用しましょう |
ひとり親家庭が、離婚後も最低限の生活を送ることができるよう、様々な制度が設けられています。地域や団体によって、名称や支援内容が異なることもありますので、詳しいことは、役所の窓口やホームページで確認してください。
お金に関するもの |
児童扶養手当
ひとり親家庭の生活の安定と自立を促進し、児童の心身の健やかな成長に寄与するために支給されます。
母子福祉資金貸付け
母子家庭の母等が、就労や児童の就学などで資金が必要になったときに、都道府県や指定都市などの公共団体貸付けを受けられる資金。母子家庭の母の経済的自立を支援するとともに生活意欲を促進し、扶養児童の福祉を増進することが目的。無利子(保証人を立てられない場合は原則として有利子)で、資金の種類により、3年から20年で返済。
ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭の保護者と児童が病院で診療を受けたときに、国民健康保険や健康保険などの自己負担分から一部負担金を差し引いた額が助成されます。健康保険に加入していることや市区町村が定める所得制限等の要件をみたす必要があります。
その他
特別児童扶養手当、障害児童福祉手当、生活保護、就労・就学支援など
生活に関するもの |
母子生活支援施設
離婚した母子を入所させて保護するとともに、自立の促進のために生活を支援することなどを目的とする施設。相談できる職員が配置された施設内の独立した居室で生活することができ、保育サービス等も実施。夫からDV被害を受けている方が入所するケースも多くあります。
公営住宅への優先入居
公営住宅入居者の決定にあたって公正な方法での選考がなされていますが、父子家庭・母子家庭の場合、住宅の困窮度が著しく高いものとされ、選考に際して、他の入居申し込み者よりも優先されます。
公営交通機関の割引制度や水道料金の減免等
児童扶養手当の受給者は、JRの通勤定期券の割引や、水道料金等の減免制度などの公的補助を受けることができます。
お金の問題は大問題。離婚後の生活設計をしっかり立てて、話をすすめましょう。
後々のトラブルを避けるために、具体的な金額、支払いの方法や期間等を決め、公正証書にしておきましょう。
ひとり親家庭のために設けられた、公的扶助を活用しましよう。
どうしていいかわからないときはあきらめず、離婚問題に詳しい弁護士に相談して具体的なアドバイスを受けましょう。