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夫が定年退職を迎えたら、離婚したいと考えています。

1日中顔を合わせて、3食食事を作り続けて、それが毎日未来永劫続くことを考えると耐えられません。子どももすでに自立していますし、私も妻という立場を退職して、自由な自分の人生をスタートさせたいと熱望するようになりました。離婚に向けて、何を準備すればいいですか?

こんなときどうする?

解放されて、第2の人生をスタートさせたい。

ハウスキーパーとして過ごしてきた長い年月から解放されたいと、熟年離婚を考える女性が増えています。いつのまにか気持ちがすれ違ってしまって、一緒に何かを楽しむということもなく、思いやる気持ちをなくしていった結果かもしれません。寄り添える気持ちを取り戻せそうにないのなら、一緒に迎える老後が苦痛でしかないのなら、離婚へと進むのもひとつの判断です。人生は何歳からでもやり直しができるのですから。ただ、きちんと将来設計を立てておくことが必要だと考えます。一番大切なのは、経済的な問題です。

法的視点で見てみると 1

退職金や年金も財産分与の対象となります。

婚姻後に得た財産はすべてふたりの共有財産と見なされます。専業主婦も、もちろん同じです。現金収入がなかったとしても、その財産をつくるために寄与したと考えられるからです。家や車、預貯金など名義に関係なくふたりの共有財産となり、これを財産分与として二人で分けることになります。離婚時における退職金も財産分与の対象となりますし、年金分割を求めることもできます。ただし、住宅ローンの負債が多く残っている場合には、上手に交渉する必要があります。

法的視点で見てみると 2

離婚に応じてくれないという可能性もあります。

夫側にとって、青天の霹靂で受け入れがたいという事態も考えられます。スムーズな解決のためには、婚姻関係がすでに破綻していたことを、納得してもらう必要があります。信頼を失うに至った原因や、婚姻関係の継続が困難な理由などを、整理して文書にしておくと役に立つかも知れません。また、家庭内別居が長く続いていたことならば、すでに破綻しているとみなされることがあります。自分自身の気持ちの整理のためにも、準備しておきましょう。

法的視点で見てみると 3

年金分割をして受け取ることができます。

一般的な会社員の妻だった場合、国民年金の第3号被保険者となっており、自分名義の年金はそのまま受け取ることができます。夫の支払った保険料は、夫婦が共同して負担したものであるというのが基本的な考え方のため、平成20年4月1日以降に第3号被保険者期間がある場合、夫の厚生年金の標準報酬の1/2が、妻の標準報酬であるとして分割を受けることができるのです。これを3号分割といい、夫の同意を得なくても、妻が単独で請求することができます。ただし、分割請求は離婚後2年以内に手続きを終える必要があり、また、平成20年4月1日以前の婚姻期間について年金分割する場合は、別途合意する、あるいは、審判を求める必要がありますので、ご注意ください。

弁護士からのアドバイス

離婚後の生活をしっかりプランしましょう。

一番重要なのは、経済的な生活設計です。退職金を含めて財産分与したとしても、それは一時的なものです。後は分割した年金以外に収入はありません。毎月幾ら必要なのか、どうすれば暮らしていけるのかシミュレーションしてみましょう。また、住まいも探す必要があります。現在ローンの完済した持ち家に住んでいたとしても、財産分与の際に片方が住まい続けるのならば、時価の半分に相当する金額を支払う必要もでてきます。。売却して半分ずつにした場合は、双方が賃貸住宅を探さなくてはならなくなり、生活費を圧迫します。どこに住まうのか、どうやって暮らすのか、じっくりと計画をすることが重要です。

相談のポイント

幾らぐらい受け取れるのかを、予測しましょう。

給与や賞与から、計算することができます。また、普段から妻が財産管理をしている場合は、預貯金などの額もわかっているので、容易に予測できます。逆の場合は、開示してもらう必要があります。さまざまな資料を用意しておきましょう。

明るい人生をもう一度スタートさせるために、
スムーズな解決をめざします。

熟年離婚は、気持ち的には晴れやかになりますが、よほど潤沢な財産がない限り、経済面のプランが必須となります。幾ら手にすることが出来るのかをきちんと把握して、それで暮らしの設計をすればいいだけのことではありますが。財産分与を含めて予測し実現すること、また相手側に離婚を受け入れてもらうためには、適切な判断と話し合いが重要です。熟年離婚の事例もたくさん扱ってきた経験豊富な「みお」の弁護士がしっかりとサポートします。

長年連れ添ったご夫婦が別れる、熟年離婚が増えています。人生百年時代とも言われる今、自分の人生はまだまだ続くと思ったとき、離婚して人生をリセットしたいと考える方は少なくありません。でも思いつきで行動するのはやめましょう。熟年離婚で一番問題になるお金のことを中心に、どんな法的根拠に基づいてどう行動するのがベストなのか、熟年離婚のご相談を多数承ってきた「みお」の弁護士が、ケース別にアドバイスいたします。

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