離婚は一個人の問題とは思うのだけれど・・・・。
長年の苦労の結果として、大きく成長させた会社。それに、社長個人の問題である離婚が影響しないかと不安に思われるのも当然です。また、離婚を切り出された妻側は、会社もひとつの財産と考えているかもしれません。婚姻後に作り上げた財産は、離婚時にすべてふたつに分けるというのが、財産分与の基本的なルールですから。
多額の慰謝料や財産分与を求められたら、会社の経営にも影響するのではないかと不安。一代で築き上げてきたこの会社を守りたいが、そのために離婚を回避して暮らすというのは違うのではないかと考え始めた。これからの人生をもっと大事にしたい。経営者として、離婚によるリスクは何があるのか、どんな準備をすればいいのか知りたい。
長年の苦労の結果として、大きく成長させた会社。それに、社長個人の問題である離婚が影響しないかと不安に思われるのも当然です。また、離婚を切り出された妻側は、会社もひとつの財産と考えているかもしれません。婚姻後に作り上げた財産は、離婚時にすべてふたつに分けるというのが、財産分与の基本的なルールですから。
一般的な給与所得者の場合、妻が現金収入のない専業主婦であっても、財産はすべてふたりで半分に分けることになります。その財産を作り上げるために妻も、専業主婦として寄与したと認められるからです。
しかし、会社経営者に際し特殊な能力でもって多額の財産を築き上げていた場合、妻にそこまでの寄与があったとは認められない場合があります。その判断は、ケースバイケースですので、弁護士に相談してください。
たとえ個人経営だったとしても、会社名義のものは会社の財産とされるのが原則です。たとえば、車や福利厚生を目的とした別荘など、会社名義の場合は、分与の対象とはならないのが原則です。
実際に勤務していなくても、名義だけは役員である場合という例もよくあります。離婚と同時に退任してもらえばいいだけのようにも思えますが、銀行からの借り入れの連帯保証人になっている場合があります。この時には、離婚しても連帯保証人から外すことができません。万が一、会社の経営が破綻した場合、離婚した妻も負債を背負うことになってしまいます。
また、銀行は保証人を外すことをなかなか認めてはくれませんが、代わりとなる担保を出すことで可能となることがあります。また、株式会社で妻も株を保有していた場合、会社・もしくは社長個人で買い取ることが賢明ですが、経営に影響するほどの金額になる可能性があります。分割払いで支払うように交渉するなども一つの方法です。
離婚したからといって、解雇することはできません。今まで通り、役員報酬や給与を受け取る方が、暮らし向きは安定するでしょう。しかし、株を保有したままであったり、役員の立場をそのままにしておくと、会社の方針を決定する時に、承認を求める必要が出てきます。つまり会社の方向性に影響が出る可能性があるということです。
そのため、婚姻関係の解消と一緒に雇用関係も解消することをおすすめします。
会社経営者の場合、すべての財産をふたつに分ける必要はないと先述しましたが、それでも高額になることは間違いありません。どのくらいの寄与と考えられるか、どのように支払うとムリがないか。適正な判断を見定めないと、会社の経営にも影響が及ばないとも限りません。解決を急ぐあまり、早急に物事を決めず、将来を見据えて話し合いを進めましょう。
婚姻後に得た財産は、原則としてすべてふたりの共有財産であるとみなされるということは、先にご説明しましたが、これは名義や普段の所有に関わらず財産と見なされることを意味します。つまり、妻名義のものも動産・不動産に関わらずすべて財産分与の対象となるわけです。
よって、財産分与の際には、妻の保有する財産についても考慮する必要があります。
妻が会社役員や株主であった場合、たくさんの財産を保有している場合など、さまざまなパターンや事情がありひとつの型にはめ込んでしまうことは困難かと思われます。
離婚は社長個人の問題ではありますが、会社経営に密接に関係してくることもよくあります。
双方が明るい未来へ一歩を踏み出すためにも、視野を広く持って、しっかり話し合って納得のいく解決へと結びつけましょう。
離婚の理由はさまざまですが、いくら長く一緒に暮らしていても、食い違ってくることはあります。世間体のために我慢したり取り繕うことは、双方にとって決して幸せなことだとは考えません。リスクはありますが、それは充分解決できることです。経営者として守らなくてはならないこと、そのために必要な準備など、たくさんのステップが必要となりますが、たくさんの事例を扱ってきた経験豊富な「みお」の弁護士がサポートします。