自分の厚生年金も多少はあるけれど。
仕事をしながら家事・子育てをしてきて、お互いに迎えた年金生活。でも、妻としての仕事には定年はなく、家庭を顧みなかった夫との暮らしはかえって多忙で気の休まる時がない。自分の老後を考えた時、このままずっと働きづめなのかしらと絶望感に苛まれて、熟年離婚を願う女性が増えています。妻という仕事も退職したいと思う時、まずは資金面での生活設計をしっかりプランすることが大切です。
今更と言われるかもしれませんが、離婚したいと思っています。でも、自分の年金だけで暮らしていけるのか不安です。年金分割・合意分割というものがあると、小耳に挟みました。生活資金が少しでもプラスできるのならばと思って。
仕事をしながら家事・子育てをしてきて、お互いに迎えた年金生活。でも、妻としての仕事には定年はなく、家庭を顧みなかった夫との暮らしはかえって多忙で気の休まる時がない。自分の老後を考えた時、このままずっと働きづめなのかしらと絶望感に苛まれて、熟年離婚を願う女性が増えています。妻という仕事も退職したいと思う時、まずは資金面での生活設計をしっかりプランすることが大切です。
年金には、国民すべてが加入する国民年金(基礎年金)と、被用者(会社員など)が加入する厚生年金があります。専業主婦や自営業者であった場合は、国民年金のみが自身の年金となり、これだけで生活するのは難しく、それなりの老後の資金の準備が必要だと考えられます。
会社員などはこの国民保険に企業で加入する厚生年金が上乗せされる仕組みです。この厚生年金は収入に応じて徴収されているため、受給金額もそれぞれ違うわけです。
かつては公務員などの共済年金もありましたが、平成24年度の改正により、被用者年金が一元化されました。種別は下記の通りです。
1 厚生年金の被保険者 →第1号厚生年金被保険者
2 国家公務員共済組合の組合員 →第2号厚生年金被保険者
3 地方公務員等共済組合の組合員 →第3号厚生年金被保険者
4 私立学校教職員共済組合の組合員 →第4号厚生年金被保険者
昭和61年度の改正により、会社員や公務員など国民年金の第3号被保険者に扶養される配偶者の方(20歳以上60歳未満)は、第3号被保険者として保険料の負担なしで保険料納付期間として将来の国民年金額に反映する制度が整えられました。
この第3号被保険者を対象としたものが、3号分割制度です。平成20年4月1日以降に離婚した場合、平成20年4月以降の第3号被保険者期間の、夫の厚生年金の標準報酬の1/2を、妻の標準報酬であるとして分割を受けることができます。これを3号分割制度といい、夫の同意を得なくても、妻が単独で請求することができます。ただし、分割請求は離婚後2年以内に手続きを終える必要がありますのでご注意ください。
離婚する夫婦の一方、または双方が厚生年金に加入していた場合、話し合いか裁判手続きにより按配割合を定めて、厚生年金の保険料納付記録の最大1/2までを収入の少なかった方の当事者に分割する制度です。
婚姻中はお互いの収入は共有財産。支払ってきた保険料も同じことです。そこで、手にする年金額の少ない方に多い方から分割しましょうということです。ただし、分割請求はこちらも原則離婚後2年以内に手続きを終える必要があります。
老後の資金をしっかり確保することが、熟年離婚の必須要素です。婚姻期間中に作った財産は共有財産とみなされ、分与することが定められています。年金分割のみでは、離婚後の生活を補えない場合も多いかと思いますので、まとまった金額を財産分与として受け取っておくことも忘れてはいけません。
年金分割制度を利用するためには、年金分割のための情報通知書が必要です。また、財産分与のために、何を所有しているのか、きちんと把握しておきましょう。名義に関係なく分与されますので、夫所有しているもの、預貯金などを知る必要があります。しっかりと準備して相談することで、何をどのくらい受け取ることができるのか予測することができます。
定年を迎えて仕事から解放され、自分のために時間が使えるようになったのですから、人生を楽しまなくてはもったいないと前向きに考えて熟年離婚を考える方が増えています。老後の資金と生活設計をしっかりプランして取り組みましょう。相手側の合意を得なければならない要素もたくさんありますから、きちんとした話し合いが必要です。適切な判断と話し合いを、豊富な経験を持つ「みお」の弁護士がお手伝いして、スムーズな解決をめざします。