子供が小学生の頃に、夫が単身赴任になり離れて暮らすことになったIさん一家。夫は毎月きちんと生活費を納め、帰ってきたときには子供の面倒もみてくれて、しばらくは円満でした。ところが三年経った頃、単身赴任先に夫が不倫相手をつくっていることが発覚。問い詰めたところ、夫は認めて謝罪もしましたが、仕事の都合上単身赴任をやめることはできません。
そのときは生活費や子供のこともあるので離婚には至りませんでしたが、不倫によってIさんには夫への不信感が生まれ、夫婦としての関係性は崩れてしまいました。その後、単身赴任で別居という生活が十年以上続き、下の子が成人してしばらくした頃に夫から「離婚したい」という連絡がありました。どうしようかなと考えている間に、今度は弁護士の名前で離婚調停の呼出状が送られてきました。
離婚調停に呼ばれたIさんはどうすればいいのかわからず、「みお」の弁護士に相談しました。最初は突然調停の申し立てが送られてきたことでパニックに陥っていたIさんですが、弁護士と話している間に自分の気持ちを少しずつ整理することができました。
Iさんとしては積極的に離婚したいわけではありませんでしたが、最初の不倫の段階で夫への気持ちは離れており、Iさん自身が困らないように最低限の責任を果たしてくれるのであれば離婚に応じてもいいというのが正直な気持ちでした。
そこで弁護士は、Iさんの要望をヒアリングし、具体的な条件として整理して調停に臨むことにしました。
離婚調停では、弁護士がIさんの代理人となり、離婚には積極的ではないがこちらの考える条件であれば離婚に応じることを検討する旨を相手にしっかりと提示し、粘り強く交渉していきました。具体的には、マンションの名義変更などを含めた財産分与を条件としました。
結果としては、夫の過去の不倫によって夫婦生活が破綻したことを前提に、財産分与として1/2以上の支払いを夫が了承したことでIさんも合意。離婚が成立しました。
突然送られてきた離婚調停の申し立ての書類、一般の方なら誰でも驚いてしまうと思います。Iさんも最初はどうしていいのかわからなかったとのことで、弁護士に相談し、会話を進める中で徐々に自分の気持ちを整理していくことができたと言います。
また、相手に弁護士がついている場合、言い分や書類には一見不備がないように思えますが、実際はそうとも限りません。「みお」の弁護士はIさんの立場に寄り添って、専門用語を噛み砕いて相手方の趣旨を説明。「これは反論した方がいい」「これは受けましょう」と弁護士と確認しながら進めていくことができ、安心して調停に臨むことができました。
専業主婦の方に多いのですが、夫が会社員でずっと厚生年金を納めている場合、年金分割の手続きを行うことで、妻も結婚期間中は厚生年金を納めていたことになります。しかし、手続きを行わなければ納めたことになりません。夫にとって年金分割はメリットにもデメリットにもならないため、夫側から離婚の申し出があった場合や当事者同士の離婚協議では年金分割についての確認を怠りがちです。
年金分割の手続きをはじめ、ひとりでは考え及ばなかった部分についても弁護士に相談することで見落としを防ぐことができ、後悔の少ない離婚になります。
離婚調停を申し立てる場合、どちらかに弁護士がついているケースがほとんどです。相手方の弁護士の条件提案、あるいは裁判所からの調停条項案が出てきたとして、それが必ずしも問題のないものになっているかというと、残念ながら絶対ではありません。
ご自身の立場から見て合意できる内容になっているか、こちらから提案すべきことはないか、見落としがないかを判断するには、専門家に相談されるのが一番です。
疑問に思われた部分はその都度確認しながら、安心して協議や調停が進められるよう私たち弁護士が力になりますので、ぜひご相談ください。