Fさん夫婦は共働きで、夫はIT関係の仕事でとても忙しい日々を送っていました。すれ違いの多い日々でしたが、妻であるFさんはさほど気にしていませんでした。
ところがある日突然、夫から「なんのために働いているのかわからなくなってきた。とりあえず一人になってこれからの人生を考え直したい」と離婚の申し出があり、夫は一方的に家を出ていってしまいました。離婚したくないFさんでしたが、これまでの夫の性格上、一度決めたことは覆らないだろうと考えており、自分の気持ちと夫の気持ちの間でFさんは困り果ててしまいました。
Fさんはこれまでの生活に不満はなく、夫とも上手くいっていると思っていました。そのため、突然の離婚の申し出がショックで、これからどうしていいのかわからなくなってしまいました。
それなりの貯金もあり不動産もありますが、住宅ローンもまだ残っています。夫とは連絡はつくものの、どこにいるのかはわかりません。途方にくれたFさんは弁護士に相談してみることになりました。相談を受けた弁護士は、離婚しなかった場合と、仮に離婚した場合を想定し、Fさん自身はどうしたいか一緒に考えてみましょうと提案しました。
相手の気持ちが変わらないのであれば、、「どういう条件なら離婚してもいいと思えるか」を考えてみることで、今後どうすべきかが明確に見えてきます。。Fさんは、実際に裁判所の判断に委ねた場合の財産分与のシミュレーションを踏まえて、Fさんが納得できる離婚条件を弁護士と一緒に明確にしていく作業を行いました。そして、このまま夫を待ち続ける状況と、夫がその離婚状況に応じてくれた状況を検討した結果、一旦離婚をして区切りをつけたほうが良いとの結論に至りました。その後、Fさんは、そ弁護士のアドバイスを受けながら本人同士で協議を進め、3000万円あった預貯金は全額Fさんへ、住まいはFさん名義に変更し、残った住宅ローンもFさんが支払っていくことでまとまり、離婚するに至りました。
いきなり夫から離婚の申し出を受けたときには、あまりのショックで何も考えられなかったFさん。弁護士に相談することで、自分の置かれた状況を客観的に考えることができるようになりました。また、弁護士から、考えるべきポイントについて、優先順位をつけて示されたことから、自分が検討すべき事が明確になり、前を向いて進めるようになりました。
Fさんはご自身で離婚協議を進めていきましたが、その際、弁護士のサポートを受けるプランを選択されました。少しでも疑問に思ったことを、いつでも弁護士に相談できることが自信になり、落ち着いて協議ができたといいます。わからないことや夫に言いくるめられそうなことがあっても、弁護士に相談して不明点が解消することができ、立ち止まらずスムーズに離婚することができました。
最終的には弁護士の作成した離婚協議書もあり、手間やトラブルの心配もなく終えることができました。
パートナーから離婚を要求されたとき、まったく思い当たることがなくパニックに陥ってしまう方は少なくありません。すべてが終わってしまったと思い、やる気を失い、いろんなことがうまくいかなくなってしまう…そんな悪循環に陥ってしまいがちです。
しかし、こういうときにこそ、今後の見通しが立てられる弁護士からの冷静なアドバイスが有効です。自分の置かれている環境を客観的に見て、何ができるのか、何をしなければならないのかが明確になると、だんだんと落ち着くことができるようになります。突然のことで大変な状況なのですから、一人で抱え込まないでください。これから自分に何ができるか、どうすれば新しいスタートが踏み出せるか、一緒に考えていきましょう。