たまに夫婦ゲンカをすることはあったもののそのたび仲直りしていたので、今回のケンカも、そう大したことではないと考えていたYさん。しかし、夫は口論の末、家を飛び出してしまいました。というのも、確たる証拠はないものの、どうやら夫は浮気をしている様子。浮気を認めることはないものの帰ってくることはなく、ついに「離婚したい」と言い始めました。まだ1歳とはいえ子供は夫にとても懐いており、Yさんとしては子供のためにも絶対に離婚はしたくありません。
浮気をして離婚したいという夫の言い分は虫が良すぎるとYさんは思いました。何か手立てはないものかと弁護士に相談することにしました。夫が本当に浮気をしていたとすると、離婚の原因をつくり結婚生活を破綻させた本人である夫は有責配偶者となり、一定条件を満たさない限り有責配偶者からは離婚請求ができなくなります。そのため、弁護士からは、夫が浮気をしているという確実な証拠を揃える必要があるとアドバイスされました。絶対に離婚したくないYさんは、早速行動に移すことにしました。
Yさんは、夫が自宅に残していた書類から、転居先のマンションを見つけることに成功しました。その後、探偵に依頼し、夫が出ていった先のマンションの張り込みを依頼したところ、浮気相手と夫が夫の転居先マンションで生活していることがわかりました。、その後、この事実が決定的なものとなって裁判所も夫の浮気を認めることとなりました。また、夫は調停で取り決めた婚姻費用の支払いも滞っており、弁護士は、これらについても裁判所で主張した結果、夫からの離婚請求は認められないという判決を得ることができました。未払いの養育費と婚姻費用については強制執行の手続きを行い、無事回収することができました。
浮気の証拠はできるだけ依頼者ご自身で揃えていただくことが望ましいのですが、ご自身では何から手を付けたらいいのかわからないという状況でした。弁護士はこのような場合、当該ご夫婦の生活状況等から、どのようにして証拠を収集すればよいかのアドバイスを行います。これに基づいてYさんが行動した結果、決定的な証拠を獲得することができました。また、未払いだった養育費や婚姻費用の回収もでき、Yさんの希望通りの結果を得ることができました。
浮気をして相手に気持ちが移ったから離婚してほしいというのはYさんのおっしゃるように虫のいい話です。理不尽な主張に屈する必要はありません。浮気をしている証拠が不十分でも根気よく探せば見つかることもありますし、今回のように一個見つかったものが決定的な証拠となって、立場が一挙に逆転することもあります。なるべく証拠はご自身で押さえる努力はしていただきたいのですが、行き詰まったら弁護士に相談すると突破口が見つかるかもしれません。