Aさんは、それまで勤めていた仕事を辞めて独立したころ、年収が以前より少なくなりました。
もともと結婚当初から、妻は、資産家である妻の実家へよく帰省していたところ、Aさんが独立して以降、その傾向が顕著になり、さらに二人の子どもたちも味方につけて夫を罵倒するようになりました。
そのうち、妻は、実家に入り浸り、Aさんの分の食事や洗濯等の家事は一切しなくなりました。
また、妻は、実家に入り浸る反面、Aさんの父や母には冷たくあたり、Aさんは、毎日の殺伐とした生活にくたびれ、離婚を考えるようになり、まだ住宅ローンの残っている自宅を自ら出て、別居生活を開始しました。
Aさんは、自ら自宅を出た後も、妻が住む自宅のローンを支払っており、これに加えて毎月の生活費も負担していました。
Aさんの妻は、Aさんとは別居しながら、Aさんから生活費をもらい、自宅で生活できる状況を継続させたいとの気持ちがあったことから、理由をつけて離婚の話合いを引き延ばしをしていました。そのような中、Aさんは、経済的にも精神的にも追い詰められ、不安で夜も眠れなくなってしまいました。
途方にくれたAさんは、当事務所の弁護士に相談に来られました。
当事務所の弁護士は、Aさんからの依頼に基づき、妻がたてた代理人の弁護士と交渉を始めました。
しかし、妻側の引き延ばしにより協議がなかなか進まなかったことから、当事務所の弁護士は、協議をいったん打ち切り、あらためて妻に対して、家庭裁判所での離婚調停を申し立てました。
その後の調停において、当事務所の弁護士は、あらためて自宅の査定なども示しながら主張を尽くしたことによって、妻は、自宅を退去することに合意しました。そして、Aさんと妻は、自宅を売却し、適正な価格での財産分与を行い、調停での離婚が成立しました。
Aさんは、これまでの婚姻生活における妻からのモラハラによって、妻へ言いたいことを主張する気力も失せており、経済的にも精神的にも追い詰められ、何から手をつければよいかわからない状態に陥っていました。
そこで、当事務所の弁護士は、Aさんの置かれている状況を整理したうえで、妻が経済的な理由を根拠に離婚を引き延ばしていることに対する具体的なアドバイスを行いました。
これによって、妻も、自分の主張がいつまでも通じるものではないことがわかり、自宅を売却することに応じ、離婚に合意することにつながりました。
Aさんは、精神的に追い詰められていたため、夜も眠れないなど身体の不調も訴えていました。
そのような中で、自分の不安を正直に、率直に弁護士へ伝え、弁護士も常にAさんにアドバイスを続けたことから、Aさんは精神的にも安定し、落ち着きを取り戻せるようになりました。
離婚は、解決しなければならに問題がたくさん生じます。
普段は冷静な判断ができると思っていても、いざ自分の身に離婚という事態が迫ってくると、自分だけではどうしたらよいのか、何がベストな選択なのかの判断ができないということもよくあります。
そのような場合に、法律的に自分が何を主張できるのか、どういう離婚条件が妥当なのか等について、客観的なアドバイスを受けることができれば、今後の交渉も落ち着いて対処することができます。
もし離婚を考えているなら、まずは一度、法律の専門家である弁護士にご相談いただきたいと思います。