パートタイマーとして仕事をしながら、3人の子どもを育てるAさん。周囲からは幸せそうな結婚生活を送っているように見えていたのかもしれませんが、実際はそうではありませんでした。というのも、夫は子育てに協力することは一切ないうえ、あろうことかAさんに対してことある毎に暴言を吐いたり、暴力を振るうなどしていたのです。
「子どもたちのために頑張らないと・・・」と、夫からの暴言や暴力にも耐え、子育てと仕事を懸命に頑張ってきたAさんでしたが、結婚から14年目にして、ついに我慢の限界に達し、夫に離婚の意思を伝えました。
離婚を決意したAさんは、夫との間で離婚の話し合いを開始しました。Aさんの希望は、3人の子どもの親権者をAさんとすることでした。話し合いの結果、夫はAさんからの申し出を受け入れ、二人は離婚することで合意に至りました。ところが、離婚に合意した後も夫の暴言・暴力が収まることはなく、耐えかねたAさんは自分の名前を記入した離婚届を自宅に残し、3人の子どもを連れて別居を開始しました。
すると、夫は予期せぬ行動に出ました。夫は3人の子どもの親権者をAさんにするという約束を破り、離婚届の親権者の欄に「父親」と記載して、離婚届を役所に提出したのです。その事実を知ったAさんは、親権者をAさんに変更するために調停を起こしました。
家庭裁判所に対して親権者変更の調停を起こしたAさんでしたが、調停は不成立となり、審判に移行することになりました。審判においては、「3人の子どもの親権者をAさんに変更する」との審判が出されました。元夫はこの審判が不服であると抗告しましたが、裁判所によって抗告は棄却され、Aさんの希望通り、3人の子どもの親権は無事にAさんに変更されることが確定しました。
Aさんは日常的に夫からの暴言や暴力を受け続けていたため、親権者変更を申し立てるに当たって、夫との争いになることに、相当の恐怖を感じていました。しかし、3人の子どもたちも「父親との生活には戻りたくない」と主張していたこともあって、Aさんは「みお」にご相談にお越しになりました。弁護士との相談を通じて、解決までの道筋が明らかになったこともあり、Aさんは勇気を持って申し立てを行うことを決意しました。
なお、「みお」では、Aさんが元夫から再び危害を加えられることのないよう、調停や審判の際、可能な限りの対策を講じました。その結果、心配されていたような問題が起こることもなく、無事に親権者変更の審判が確定しました。
一般的に、一度決定してしまった親権者について再度もう一方の側に変更するためには、相当の理由が必要となります。そのため、「みお」では「そもそも親権者についてAさんと元夫との合意があった」という点、「親権者としてAさんが相当である」という点について十分な主張・立証を行いました。その結果、調査に入った調査官、審判官にも当方の主張が認められ、親権者変更を成立させることができました。
結婚期間中にパートナーから暴言や暴力を振るわれるというケースは、現在でも多く存在しています。このような場合、かけがえのない人生を自分らしく過ごしていくため、ときには離婚という決断を選択することも必要です。とくに、子どもがいる場合には、家庭内でのパートナーからの暴言・暴力等は、子どもへ直接向けられたものでなくても、子どもの成長過程に与える影響は大きいと言われています。
「みお」では、このようなケースについてもご相談いただけます。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談にお越しください。あなたの人生の新しい出発を、全力で応援させていただきます。